夏目漱石です。
過去にも読んだことありますが、いろいろあって読んでみました。
いやはや、脱帽ですね。
面白いです。
何のことは無い、不満たらたらの青年の話なのですが…。
この題材をフルに使うとこうなるんですね。
何に対しても不満を抱いてるようなよくある青年の心理描写がメインです。
その主人公が、曲がってるわけでもなく、まっすぐなわけでもなく、現代のボクから見ても等身大な人間なんです。
有名な書き出しがすべてを含んでいます。
嫌いな人間もいれば、好きな人間もいる。
そんな当たり前のことをぶつぶつと。
何でこんなにシンクロできるんだろうなぁ。
結局、底なしの文才ということになるんでしょうけど。
時代が違うのに、その情景がしっくりくるんですよね。
読んでいて、会話が少ないなぁとおもいました。
でも、それでも何の問題も無く面白かった。
会話でサクサクとテンポを軽快にしなくて全然面白いですね。
清という存在によって主人公の誠実さの部分が補われている。
そして、清が何もしてなくてもかなり前に出ている。
それは主人公が清のことを好きだから。
清と主人公の関係に非常に好感がもてました。
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