三崎亜記さんの作品です。
なんでも公務員だった経歴があるとか。
それが文面に出ていて面白いです。
例えば、行政サイドの物腰とか、書面の内容であるとか。
大きな武器に使いこなしている経歴だと思います。
それでとなり町と戦争が行われて、それに巻き込まれるというお話。
しかし、主人公は戦争の陰はなんとなく感じるがリアルさがないというもの。
おもそしろいと思いました。
戦争というもののが、あまりにもリアルではなくて戸惑うさまが。
やはり気持ちよくないものは違和感ばかりが残ってしまって、困りますよね。
その表現がなかなかいい。
なかなか滑稽な内容が続きますし、だいたいのことが宙ぶらりんです。
馬鹿っぽくてなんかゆるい。
それが怖いような気もする。
文章力というか内容の面でいろいろと面白みのある作品だと思いました。
何もないと、スルーしてしまいそうなほど表面上は軽いです。
そして、別章の内容がいいですよ。
はぁ、物語にはこのような内容が含まれていたのかと…。
戦争という単純な言葉に置き換えていますが、それは社会で起こっているいろいろな事象の代名詞として機能しているのかと。
我々が行ってることは、気づく、気づかないにかかわらず誰かの不幸に加担しているという要素もあり、それに鈍感でいることはどうなのよってことかな?
言いたいことはわかるし、悪くないです。
それなりには楽しめましたよ。
表面上、動きのない戦争というものに興味があるなら見るのもあり。
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