アニメ界に激震が走ったらしい。
この作品はエヴァ以来の作品だという。
そう言われたらまじめになってしまう。
ちょっと考察。
本作は少女が魔法少女になるかならないかという狭間で葛藤するアニメだ。
ただそれだけなのだが、視聴者を飽きさせない趣向がすごい。
蒼樹うめ原画が独特の雰囲気を醸し出してるし、本作が視聴者の誤誘導を担っている。
独特の世界観も良い。
そしてニトロ虚淵のシナリオ。
彼はエロゲ畑の人間だからエログロ、ミスリードが得意だったし、同じ業界の他作品を参考にした所も多いだろう。
マヴラヴオルタとか、それこそ沙耶の歌とか。
それをアニメ業界で堂々とやってのけたからこの評価なのである。
エロゲにどっぷりつかった俺からして見れば、この作品の怒濤の展開も普通に感じられる。
18禁業界は当然のようにシナリオものでやってたことだ。
それを年齢制限の無いアニメでやったら爆発した。
ここ数年感じていたが、アニメの許容範囲が広がり、どんどん18禁でやっていたエッセンスを取り入れ成功しているものが多い。
その流れを一点集中で爆発してしまったのが本作なんだろう。
この作品がエヴァ以来の奇跡といわれる理由は、非常にエヴァ的だということだと思う。
擦れている人間描写、主人公の苦悩、自己飛躍的なラスト。
結局、エヴァの流れを主軸にエロゲ要素を織り交ぜつつ、絵的に視聴者をだました。
この若干セカイ系的フィクションが、エヴァと本作を比較させる指標だ。
その点でこの2作品を比較すると甲乙つけがたい。
だから本作はエヴァ以来なのである。
僕としては同等の作品だということが=同レベルとはいえないと思う。
アニメの評価は時代的な側面がかなり影響するはずだからだ。
その新鮮さ、大胆さがエヴァの奇跡なのであって本作は実は奇跡を起こしていない。
しかし、すごいアニメであることは間違いないが…。
そこで問題転換。
エロゲの衰退は問題だ。
アニメの見えない自制の壁はどんどん薄くなっていくのだろうからアニメはエロゲ化する。
エロゲつまり18禁だから出来た表現が武器にならない時代だ。
好き好きあるが、エロゲの電脳紙芝居よりはちゃんとしたアニメーションの方が相対的な評価は高いのだろうし、シナリオものの武器がどんどん弱くなる。エロものは実写に出来ないインモラルが再度隆盛し発展すると思われる。
もともと制作費が違うのだ、どんどんエロゲメーカーがアニメ進出している理由も分かる。
やっていいのなら全年齢でウブな多数の視聴者に提供したらいい。
しかし、エロゲじゃなきゃできないものってまだまだあるのではないか?
もともとアダルトだけだったジャンルにシナリオものが台頭してきたのだ。
全然広い世界を開拓しきっていないだろう、ちなみにおれには考えがある。
だから、生き残ってほしい。
ジャンルが一本化されることは基本理念も一本化される恐れを危惧させる。
エロゲクリエーターのプライドを存分に発揮して新しいエロゲの方向性を見せてほしい。
そこで問題の資金面を支えるのが、エロゲーマーの職務であることは言わずもがなである。
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