この作品のテーマは代行。
誰かの代わりとなっていたり、誰かを誰かの代わりにしたり。
世の中往々にしてあることあろう。
人間のすわりのいい位置ってのはあると思うし、それが欠けることもある。
仕事で言えば、自分に何かあったときに代わりが利かないような仕事の仕方はあまりよくないと思うし。
友情で言えば、中のよい友人と離れ離れになったら、近くに誰か新しい人間を置くこともあるだろう。
その面を敢えて非情にもピックアップしたのが本作。
誰かの代わりになるのが嫌な主人公が際立ってる。
誰かの代わりにばかり生かされてしまい、自分の存在意義を疑う。
結局は、代用が利かない自分になれないことへのコンプレックスのようにも受け取れる。
意固地になって何者でもなくなって、そこに何が見えるのか?
あいまい薄ぼんやりだけども、じわっとくる作りが上手い。
藤真美穂、山田辰夫、円城寺あやと際立つ役者陣。
最高です。
名言集的なものもかなり臨場感ありで感じられる。
点数は68点。
100分未満の短時間映画ながらも、内容の濃さが深炒り。
けっこうお気に入りです。
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